美しい香港九龍の朝焼けに心を奪われて、船を乗り間違えた…

波止場から見た香港島の日の出 香港旅行

疲れもあってか、マックの固い座席でも2時間ほど眠ることができ、朝5時前には店を出て香港の朝日を見に海のほうへ歩いて行くことにしました。外では新聞配達の男性達が薄暗い中、インクの匂いがする届きたての新聞を仕分けています。

香港の新聞配達
香港の新聞配達

ビルが立ち並ぶのが一望できる港にたどり着いた時はベストタイミングだったようで、薄暗く妖艶な香港から、朝日を眩しく浴びるキラキラした香港まで変わりゆく様を堪能することができました。

対岸の九龍(Kowloon)の日の出
対岸の九龍(Kowloon)の日の出

空港に留まっていれば楽だったのにと思っていましたが、この苦労はこの景色を見るためのものだったのだとポジティブな気分になりました。これから始まる留学なのに、まるでゴールに着いたかのような感覚。

波止場から見た香港島の日の出
波止場から見た香港島の日の出

しばらくしてお腹も空いてきたので、対岸に渡って美味しい朝ご飯を探すことにしました。昔の記憶をたどると、確かスターフェリーという船で5分ほどで対岸に着くはず。

15.2HK$(この時のレートは1HK$=13円ほど)を支払ってもうじき出るという船に乗り込みました。香港の街を海から眺められる絶好の座席に陣取り、ぼーっとしていたところに欧米人の中年男性が。

英語で「隣に座ってもいいかい?」

と聞かれたので(他はガラガラだったが、眺めが最高な席は4つしか無く、そこしか空いていなかった)「OK」と僕が言ったところで船が出港しました。

セーラー姿のおじさん(決して変態ではない)が岸壁でロープを外しているのを見て、あぁ19年前に見た光景といっしょだ…懐かしいなぁ…と思っていると、隣の男性が

「ハイキングに行くのかい?」

と尋ねてきました。私は飛行機の乗り換えで時間があるので、街を散歩してるんだと伝え、自分が似顔絵を描くこと、これからフィリピンに行くことなどを話しました。

ところが、話しながら景色を楽しんでいるうちに、近づくはずの対岸がなぜかどんどん遠くへ離れていくではありませんか!最初は「イヤイヤ、そうはいってもどこかしらの対岸に着くでしょ?」と思っていたのですが、みるみるうちに香港の街並みが遠ざかっていきます…

海の上にて

これは乗る船を間違えた…と気が付き、隣の男性に「Where this ship go?」(正しい英語ではないですが、その時の自分の英語力の記録のため、言ったままを書きます)と聞くと、彼は

「この船はムイウォというところへ行くよ。自然が豊かな島さ。」

と言いました。彼はずいぶんラフな格好をしていましたが、2000メートルほどの山をトレッキングするそうで、それで僕に対して「hiking?」と尋ねたのだと分かりました。船代が安かったので、対岸へ行く船だと思い込んでいたら、まさかの大間違い。ジタバタしてもしょうがないし、時間もあるので、大都会ではない香港も面白いか…と、イレギュラーの旅を楽しむことにしました。船はおよそ45分ほどかかってムイウォに着きました。

今日の英語

「Where this ship going?」
(この船はどこへ行きますか?)